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2011年4月13日 (水)

ブルブルの声

 時々読ませていただいているブログに「二木紘三のうた物語」がある。色々な歌の曲と歌詞、歌にまつわるエピソードが紹介されていてなかなか楽しい。

 先日、名曲「夜来香」が取り上げられていた。中国語の歌詞の曲を戦前李香蘭(山口淑子)が歌い、日本語の歌詞のものを戦後再び彼女が歌って大ヒットした。自分が知っているのは、さらにその後のテレビのナツメロ番組とテレサ・テンが歌ったものだが。

 中国語歌詞も出ていたので見てみると、日本語歌詞の「うぐいす」は、原詞では「夜鶯」だった。日本語歌詞では、夜に「うぐいす」が鳴いている。ありえないことなのに、今までは気がつかなかった。だが、「夜鶯」なら納得できる。

 「夜鶯」は「うぐいす」とはまったくの別物で、一般には「ナイチンゲール」、ウイグル人が bulbul と呼ぶ鳥だ。「うぐいす」がヒタキ科ウグイス亜科なのに対し、ブルブルはヒタキ科ツグミ亜科でツグミの仲間なのである。ブルブルの声は美しいので知られており、文学作品にもよく登場する。そのさえずりは春から初夏にかけて昼間だけでなく夜でもきかれる。夜でも鳴くというのが特徴だ。これまで実際の声は耳にしたことがなかったが、何のことはない、You Tube に映像があった。

 「ウグイス」の声とは似ても似つかないが、たしかに美声ではある。これで、ブルブルの声が分かったので、少しはウイグル文学の理解も深まろうというものだ。

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コメント

ブルブルについては前から気になっていました。

いわゆる「ナイチンゲール」が「うぐいす」とは違う鳥である、というのはそのとおりだと思います。ただ、新疆での「ブルブル」が即座に欧州や中東文学のNightingaleやAndalib(両者の関係も実は良く分かりませんが)と動物分類学上おなじものを指しているかどうかは、なお議論の余地があると思います。

文学作品のなかで、アラビア文学やペルシャ文学の引き写しとしてブルブルを用いる際は(往々にして、その場合は本物の鳥を念頭においていると言うよりは、「ギュルとブルブル」のように抽象的に捉えている場合が多いですから)問題はないのですけれども、実際にそこにいる小鳥の名前として、新疆に住むウイグル人がどの鳥を指して言っているのかは別問題になりますよね。

実在の鳥としてのナイチンゲール(ツグミ)は新疆でも鳴いているのか、ウイグル人はそれをブルブルと呼んでいるのか、が鍵となるかと思います。

なおSchwalzの辞書は新疆で出た動植物辞典を参考にしたと思しきラテン学名を不完全ながら収録しており、bulbulの項目はAlaudidae(ヒバリ)をエントリーし、torghayとシノニムであるとしています。これとて根拠が良く分かりませんが。

と言うわけで辞書では第一義に実態(一般名詞)としての語義を挙げ、第二義に文学上の語義を併記するのが妥当であると私は思っています。第一義のほうはなお迷いがありますが…。

これは半ば冗談ですが、第二義のほうでしたら、日本のウグイスのような位置づけだ、と言うような意味でウグイスと言うのもありかもしれません。

 コメント有難うございます。中国語のサイトで「夜鴬」で検索したところ、ヨーロッパでいうところの「ナイチンゲール」で「新疆歌鴝」を指すとあったものですから、これこそ「ブルブル」かと思いました。『詳解辞典』にはたいした情報はなく、「ブルブル」には「クズルギュル・ブルブル」や「キョクトルガク」がいるとありました。ウズベキスタンとタジキスタンの百科辞典の記述では、「ナイチンゲール」と同じ「ブルブル」がいるそうですから、新疆のものも同一種ではないでしょうか。ただ、あちらでの「ブルブル」という呼称が、近縁種のものを含めた総称である可能性はありますね。日本でもよくあることですから。ウイグル人の野鳥愛好家(いればの話ですが)が、あちらの「ブルブル」の映像と音を You Tube に投稿してくれればいいですね。

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